Claude Code で MCP Tasks と Elicitation を試す
Claude は MCP の Tasks と Elicitation に対応し始めました。Tasks は時間のかかるツール呼び出しをタスク ID とポーリングに分ける拡張で、Elicitation は処理の途中でユーザーに入力を求める仕組みです。この記事では 2 つの機能の基本を説明し、TypeScript SDK で実装した MCP サーバーを Claude Code CLI から呼び出した結果を紹介します。
MCP(Model Context Protocol)のツール呼び出しは、クライアントがリクエストを送り、サーバーが結果を返すまで待つという同期的なやり取りが基本です。数秒で終わる処理ならこれで十分ですが、数分かかる調査や CI の実行のような処理では、接続を開いたまま待ち続けることになります。また、ツールを実行している途中で「本当に返金してよいか」「どのリポジトリを対象にするか」といった判断をユーザーに求めたい場面もあります。
MCP にはこの 2 つの問題に対応する仕組みとして、時間のかかる処理を扱う Tasks と、処理の途中でユーザーに入力を求める Elicitation があります。2026 年 10 月 23 日、Anthropic は Claude で MCP Tasks と Elicitations をサポートする ことを発表しました。現時点では Claude Code CLI で利用でき、ほかの Claude の製品にも順次展開される予定です。
この記事では Tasks と Elicitation の基本から説明し、2 つの機能を使う MCP サーバーを TypeScript SDK で実装して、Claude Code CLI から呼び出したときの挙動を確認します。
2026 年 10 月 25 日時点で、Claude Code の MCP Tasks は public beta です。Claude Code v2.1.304 以降の CLI が必要で、VS Code 拡張とデスクトップアプリでは利用できません。
MCP Tasks とは
MCP Tasks は、サーバーがツール呼び出しに対して最終的な結果の代わりに「タスクのハンドル」を返し、クライアントが後からポーリングして結果を受け取るための拡張です。拡張の識別子は
io.modelcontextprotocol/tasks で、仕様は ext-tasks リポジトリ で管理されています。
ツール呼び出しの結果を待つ間、接続を開いたままにする方法でも長い処理は扱えますが、公式ドキュメントでは、Tasks を使う理由として次の点を挙げています。
- 多くのクライアントや中継サーバーはリクエストにタイムアウトを設けているため、数秒を超えて接続を保持するのは現実的ではない
- タスク ID は永続的なハンドルなので、クライアントが切断・再起動しても同じ ID でポーリングを再開できる
- タスクは
workingやinput_requiredといった状態とstatusMessageを持つため、クライアントは進捗を表示できる - タスクの途中でユーザーの入力が必要になった場合も、追加の接続なしにやり取りできる
Tasks の流れ
Tasks を使うツール呼び出しは、次の流れで進みます。
- クライアントはリクエストの
_metaで Tasks 拡張への対応を宣言する - サーバーは処理に時間がかかると判断したら、
resultType: "task"の結果(CreateTaskResult)を返す - クライアントは
tasks/getでタスクの状態を問い合わせる - タスクが
input_requiredになったら、クライアントはtasks/updateでユーザーの入力を送る - タスクが
completedになったら、tasks/getの応答に含まれるresultを受け取る
2026-07-28 仕様では initialize によるハンドシェイクが廃止され、クライアントは毎回のリクエストの _meta で自身の機能(capabilities)を宣言します。Tasks 拡張への対応も、extensions フィールドで宣言します。
{
"_meta": {
"io.modelcontextprotocol/clientCapabilities": {
"extensions": {
"io.modelcontextprotocol/tasks": {}
}
}
}
}この宣言があるリクエストに対して、サーバーは通常の CallToolResult か CreateTaskResult のどちらを返すかをリクエストごとに決めます。CreateTaskResult は次のような形です。
{
"resultType": "task",
"taskId": "build-7f3a9c2e",
"status": "working",
"statusMessage": "Compiling, 40 of 212 files done",
"createdAt": "2026-10-22T14:03:07Z",
"lastUpdatedAt": "2026-10-22T14:03:07Z",
"ttlMs": null,
"pollIntervalMs": 5000
}pollIntervalMs はサーバーが推奨するポーリング間隔、ttlMs はタスクの作成時点から数えてタスクを保持する期間(ミリ秒)で、null は無期限を表します。仕様では、サーバーはタスクを作成し終えてから、つまり tasks/get でそのタスクを取得できる状態になってから CreateTaskResult を返さなければなりません。
タスクの状態は次の 5 つです。
| 状態 | 意味 |
|---|---|
working |
処理中 |
input_required |
クライアントからの入力が必要。inputRequests に要求が入る |
completed |
完了。result に本来のツール呼び出しの結果が入る |
failed |
実行中に JSON-RPC エラーが発生した。error に詳細が入る |
cancelled |
キャンセルされた |
failed は JSON-RPC のエラーだけを表す状態です。ツールが isError: true の結果を返した場合は、プロトコルとしては正常に完了しているので、タスクは completed になり、result にそのエラーの結果が入ります。
completed、failed、cancelled は終了状態で、一度この状態になったタスクは変化しません。クライアントは tasks/cancel でキャンセルを要求できますが、キャンセルは協調的なものです。サーバーは要求を受け付けたことだけを返し、処理を止めるかどうかはサーバーが決めます。
Elicitation とは
Elicitation は、サーバーがリクエストを処理している途中で、クライアントを通じてユーザーに追加の情報を求める仕組みです。2025-06-18 仕様で追加されました。
Elicitation には 2 つのモードがあります。
- form モード: サーバーが JSON Schema で入力項目を指定し、クライアントがフォームを表示して構造化されたデータを集める。データはクライアントを通ってサーバーに届く
- URL モード: サーバーが URL を指定し、ユーザーはブラウザでその URL を開いて操作する。URL 以外のデータはクライアントを通らない
form モードの requestedSchema は、プリミティブな型のプロパティだけを持つフラットなオブジェクトに制限されています。使えるのは文字列(email、uri、date、date-time の format を指定できる)、数値、真偽値、列挙型(単一選択・複数選択)です。ネストしたオブジェクトは意図的にサポートされていません。クライアントがフォームを組み立てやすくするためです。
ユーザーの応答は action で 3 種類に区別されます。
action |
意味 |
|---|---|
accept |
ユーザーが明示的に承認して送信した。form モードでは content に入力値が入る |
decline |
ユーザーが明示的に拒否した |
cancel |
ユーザーが選択せずにダイアログを閉じた(Esc キーなど) |
仕様では、サーバーはパスワード、API キー、アクセストークン、支払い情報のような機密情報を form モードで要求してはならない(MUST NOT)と定めています。これらは URL モードで扱います。URL モードを追加した SEP-1036 は、MCP サーバーがサードパーティーの API に OAuth で認可を得る場面を主な動機に挙げています。MCP クライアントがトークンを取得してサーバーに渡すと、セキュリティのベストプラクティスで禁止されているトークンパススルーになってしまいます。URL モードなら、ユーザーはブラウザでサードパーティーに直接認可を与え、トークンはクライアントを通らずにサーバーへ届きます。
2026-07-28 仕様での Elicitation の扱い
2025-11-25 までの仕様では、サーバーはツールの実行中にクライアントへ elicitation/create リクエストを送っていました。サーバーからクライアントへリクエストを送るには、確立済みのセッションと双方向の通信路が必要です。
2026-07-28 仕様ではセッションが廃止されたため、elicitation/create は次の 2 つの方法でクライアントに届けられます。
- multi round-trip requests(MRTR): サーバーは
tools/callにresultType: "input_required"の結果を返して処理をいったん終える。クライアントはユーザーの応答をinputResponsesに入れ、新しい ID で同じtools/callを送り直す - Tasks の
input_required: タスクの状態をinput_requiredにして、tasks/getの応答のinputRequestsにelicitation/createを入れる。クライアントはユーザーの応答をtasks/updateで送る
どちらの方法でも、inputRequests はキーと { method, params } の組のマップです。タスクの tasks/get の応答は次のような形になります。
{
"resultType": "complete",
"taskId": "6c2ffda1-fa4a-4620-96d8-d3ddf603770d",
"status": "input_required",
"statusMessage": "Waiting for the user to choose the report audience",
"inputRequests": {
"audience": {
"method": "elicitation/create",
"params": {
"mode": "form",
"message": "「MCP Tasks」の調査が終わりました。レポートの公開範囲を選んでください。",
"requestedSchema": {
"type": "object",
"properties": {
"audience": {
"type": "string",
"title": "公開範囲",
"oneOf": [
{ "const": "team", "title": "チーム内" },
{ "const": "company", "title": "社内全体" }
]
}
},
"required": ["audience"]
}
}
}
}
}クライアントは同じキーで応答を返します。
{
"method": "tasks/update",
"params": {
"taskId": "6c2ffda1-fa4a-4620-96d8-d3ddf603770d",
"inputResponses": {
"audience": { "action": "accept", "content": { "audience": "team" } }
}
}
}MRTR は数秒で終わるやり取りの中で入力を求めるのに向き、Tasks の input_required は長い処理の途中で入力を求めるのに向いています。
Tasks と Elicitation を使う MCP サーバーを実装する
ここからは、2 つのツールを持つ MCP サーバーを実装します。
deep_research: タスクを返す調査ツール。途中で Elicitation を使ってレポートの公開範囲をユーザーに確認し、確認後にレポートを完成させるshare_report: タスクを使わず、MRTR で共有の確認を求めるツール
実装には MCP TypeScript SDK v2 の @modelcontextprotocol/server を使います。ただし、2026 年 10 月 25 日時点で SDK のサーバー側は Tasks 拡張を実装していません(typescript-sdk#2189)。そのため、
tasks/get などのメソッドは SDK のカスタムメソッドとして自前で実装します。Elicitation の要求は SDK の inputRequired で組み立てます。
プロジェクトを作成して、必要なパッケージをインストールします。
npm init -y
npm pkg set type=module
npm install @modelcontextprotocol/[email protected] @modelcontextprotocol/[email protected] zodタスクの状態を保持する
createMcpHandler は HTTP リクエストごとに McpServer のインスタンスを作り直します。タスクは複数のリクエストをまたいで参照されるため、モジュールスコープの Map に保存します。実際のサービスでは、複数のサーバーインスタンスから参照できるデータベースなどに保存する必要があります。また、このサンプルは終了したタスクを削除しませんが、実際のサービスでは ttlMs を設定して、期限を過ぎたタスクを削除します。
以降のコードブロックには、そのブロックで使う import 文だけを抜き出して載せています。server.ts にまとめるときは、ファイルの先頭で 1 つにまとめてください。
import { ProtocolError, ProtocolErrorCode } from "@modelcontextprotocol/server";
const TASKS_EXTENSION = "io.modelcontextprotocol/tasks";
const PORT = Number(process.env.PORT ?? 3000);
// 調査とレポート作成の各フェーズにかかる時間
const PHASE_MS = Number(process.env.PHASE_MS ?? 20_000);
type TaskStatus =
| "working"
| "input_required"
| "completed"
| "failed"
| "cancelled";
type TaskRecord = {
taskId: string;
status: TaskStatus;
statusMessage?: string;
createdAt: string;
lastUpdatedAt: string;
topic: string;
inputRequests?: Record<string, unknown>;
result?: unknown;
};
// サーバーインスタンスはリクエストごとに作り直されるため、タスクはモジュールスコープに保存する
const tasks = new Map<string, TaskRecord>();
// 未知のタスク ID には -32602 (Invalid params) を返す
function findTask(taskId: string) {
const task = tasks.get(taskId);
if (!task) {
throw new ProtocolError(
ProtocolErrorCode.InvalidParams,
`Unknown task: ${taskId}`,
);
}
return task;
}
function update(task: TaskRecord, patch: Partial<TaskRecord>) {
Object.assign(task, patch, { lastUpdatedAt: new Date().toISOString() });
}
function toWire(task: TaskRecord) {
return {
taskId: task.taskId,
status: task.status,
statusMessage: task.statusMessage,
createdAt: task.createdAt,
lastUpdatedAt: task.lastUpdatedAt,
ttlMs: null,
pollIntervalMs: 2000,
...(task.status === "input_required" && {
inputRequests: task.inputRequests,
}),
...(task.status === "completed" && { result: task.result }),
};
}toWire は、タスクを CreateTaskResult と tasks/get の応答の形に変換します。input_required のときは inputRequests を、completed のときは result を含めます。未知のタスク ID には -32602 を返します。
タスク ID には randomUUID() を使います。新しい Tasks 拡張には tasks/list がないので、タスク ID を知っていることがタスクにアクセスできる条件の 1 つになります。仕様は、第三者が推測できない十分なエントロピーでタスク ID を生成することと、タスクへのリクエストごとに認証・認可を確認することを求めています。
調査の進行を模擬する
調査の処理は setTimeout で模擬します。runResearch は PHASE_MS が経過するとタスクを input_required にし、inputRequests に公開範囲を尋ねる Elicitation を入れます。
import { inputRequired } from "@modelcontextprotocol/server";
// 調査を進め、途中で一度ユーザーに公開範囲を確認してからレポートを完成させる
function runResearch(task: TaskRecord) {
setTimeout(() => {
if (task.status !== "working") return;
update(task, {
status: "input_required",
statusMessage: "Waiting for the user to choose the report audience",
inputRequests: {
audience: inputRequired.elicit({
message: `「${task.topic}」の調査が終わりました。レポートの公開範囲を選んでください。`,
requestedSchema: {
type: "object",
properties: {
audience: {
type: "string",
title: "公開範囲",
oneOf: [
{ const: "team", title: "チーム内" },
{ const: "company", title: "社内全体" },
],
},
},
required: ["audience"],
},
}),
},
});
}, PHASE_MS);
}
function finishResearch(task: TaskRecord, audience: string) {
update(task, {
status: "working",
statusMessage: `Writing the report for ${audience}`,
inputRequests: undefined,
});
setTimeout(() => {
if (task.status !== "working") return;
update(task, {
status: "completed",
statusMessage: "Report is ready",
result: {
content: [
{
type: "text",
text: `「${task.topic}」のレポート(公開範囲: ${audience}): 3 件の資料を要約しました。`,
},
],
},
});
}, PHASE_MS);
}inputRequired.elicit() は、{ method: "elicitation/create", params: { mode: "form", ... } } という形の入力要求を組み立てる SDK のヘルパーです。選択肢の表示名は、JSON Schema の oneOf に const と title の組を並べて指定します。2025-06-18 仕様で使われていた enum と enumNames の組は、2026-07-28 仕様のスキーマでは LegacyTitledEnumSchema として残っていますが、将来のバージョンで削除される予定です。
タスクを返すツールを登録する
deep_research ツールは、クライアントが必要な機能に対応していることを確認してから、タスクを作成して CreateTaskResult を返します。サーバー自身も registerCapabilities で拡張への対応を宣言し、server/discover の応答に含めます。
import { randomUUID } from "node:crypto";
import { McpServer } from "@modelcontextprotocol/server";
import type {
CallToolResult,
ClientCapabilities,
} from "@modelcontextprotocol/server";
import * as z from "zod/v4";
// form と url のどちらも持たない elicitation: {} は form モードへの対応とみなす
function supportsFormElicitation(capabilities?: ClientCapabilities) {
const elicitation = capabilities?.elicitation;
if (!elicitation) return false;
return elicitation.form !== undefined || elicitation.url === undefined;
}
function buildServer() {
const server = new McpServer({ name: "research-server", version: "1.0.0" });
server.server.registerCapabilities({
extensions: { [TASKS_EXTENSION]: {} },
});
server.registerTool(
"deep_research",
{
description:
"Research a topic and write a report. Takes several minutes.",
inputSchema: z.object({ topic: z.string() }),
},
async ({ topic }) => {
// タスクを返してよいのは、クライアントがリクエストで Tasks 拡張を宣言したときだけ。
// タスクの途中で公開範囲を尋ねるので、Elicitation の form モードへの対応も必要
const clientCapabilities = server.server.getClientCapabilities();
const missing: string[] = [];
if (!clientCapabilities?.extensions?.[TASKS_EXTENSION]) {
missing.push(TASKS_EXTENSION);
}
if (!supportsFormElicitation(clientCapabilities)) {
missing.push("elicitation.form");
}
if (missing.length > 0) {
// 仕様では -32021 (Missing Required Client Capability) を返すが、
// SDK v2.3 の registerTool はハンドラーが投げたエラーを isError のツール結果に変換する
return {
content: [
{
type: "text",
text: `Missing required client capabilities: ${missing.join(", ")}`,
},
],
isError: true,
};
}
const now = new Date().toISOString();
const task: TaskRecord = {
taskId: randomUUID(),
status: "working",
statusMessage: "Collecting sources",
createdAt: now,
lastUpdatedAt: now,
topic,
};
tasks.set(task.taskId, task);
runResearch(task);
// SDK v2.3 は Tasks 拡張を実装していないため、CreateTaskResult の型を持たない
return {
resultType: "task",
...toWire(task),
} as unknown as CallToolResult;
},
);
// 以降のコードブロックの share_report ツールと tasks/* メソッドもここで登録する
return server;
}Tasks 拡張を宣言していないクライアントにタスクを返してはいけません。Claude Code のドキュメントでも、宣言のないリクエストにタスクを返すと Unsupported result type 'task' for tools/call というエラーになると説明されています。
Elicitation の form モードへの対応も確認しているのは、クライアントが宣言していない種類の要求を inputRequests に入れてはならない(MUST NOT)と仕様で定められているためです。後述する MRTR の inputRequired() では SDK がこの確認を自動で行いますが、タスクの inputRequests は自前で組み立てるので、サーバー側で確認する必要があります。
tasks/get、tasks/update、tasks/cancel を実装する
続いて、buildServer の中で 3 つのメソッドを setRequestHandler で登録します。setRequestHandler にメソッド名と zod のスキーマを渡すと、仕様に定義されていないカスタムメソッドも処理できます。
import { acceptedContent } from "@modelcontextprotocol/server";
import * as z from "zod/v4";
const taskParams = z.object({ taskId: z.string() }).loose();
server.server.setRequestHandler(
"tasks/get",
{ params: taskParams },
async ({ taskId }) => toWire(findTask(taskId)),
);
server.server.setRequestHandler(
"tasks/update",
{ params: taskParams },
async ({ taskId }, ctx) => {
const task = findTask(taskId);
if (task.status !== "input_required") return {};
// 未知のキーへの応答は無視する。audience への応答が届くまでは input_required のまま待つ
if (!ctx.mcpReq.inputResponses?.["audience"]) return {};
// SDK は params.inputResponses を取り出して ctx.mcpReq.inputResponses に渡す
const answer = acceptedContent<{ audience: string }>(
ctx.mcpReq.inputResponses,
"audience",
);
if (answer) {
finishResearch(task, answer.audience);
} else {
// decline と cancel はどちらもユーザーが承認しなかったとみなしてタスクを終える
update(task, {
status: "cancelled",
statusMessage: "The user did not choose an audience",
inputRequests: undefined,
});
}
return {};
},
);
server.server.setRequestHandler(
"tasks/cancel",
{ params: taskParams },
async ({ taskId }) => {
const task = findTask(taskId);
if (task.status === "working" || task.status === "input_required") {
update(task, {
status: "cancelled",
statusMessage: "Cancelled by the client",
inputRequests: undefined,
});
}
return {};
},
);acceptedContent は、指定したキーの応答の action が accept のときだけ content を返す SDK のヘルパーです。decline と cancel のときは undefined を返すので、このサンプルではタスクを cancelled にしています。
タスクを使わずに Elicitation を使う
share_report ツールは、タスクを使わない MRTR の Elicitation の例です。1 回目の呼び出しでは inputResponses が空なので inputRequired() を返し、クライアントが応答を付けて送り直した 2 回目の呼び出しで結果を返します。
import { acceptedContent, inputRequired } from "@modelcontextprotocol/server";
import * as z from "zod/v4";
// タスクを使わない Elicitation。ツールの結果として inputRequired を返し、クライアントの再送を待つ
server.registerTool(
"share_report",
{
description: "Share a finished report with the given channel.",
inputSchema: z.object({ channel: z.string() }),
},
async ({ channel }, ctx) => {
const confirm = ctx.mcpReq.inputResponses?.["confirm"];
if (!confirm) {
return inputRequired({
inputRequests: {
confirm: inputRequired.elicit({
message: `レポートを ${channel} に共有しますか?`,
requestedSchema: {
type: "object",
properties: {
notify: {
type: "boolean",
title: "メンバーに通知する",
default: false,
},
},
},
}),
},
});
}
const answer = acceptedContent<{ notify?: boolean }>(
ctx.mcpReq.inputResponses,
"confirm",
);
if (!answer) {
return { content: [{ type: "text", text: "共有を取りやめました。" }] };
}
return {
content: [
{
type: "text",
text: `${channel} に共有しました(通知: ${answer.notify ? "あり" : "なし"})。`,
},
],
};
},
);1 回目と 2 回目の呼び出しは独立したリクエストなので、サーバーはその間に状態を保持しません。複数回の入力をまたいで値を引き継ぎたい場合は requestState を使います。requestState はクライアントを経由して戻ってくるため、認可や業務ロジックに影響する値を入れるなら HMAC などで改ざんを検出する必要があります。
HTTP サーバーを起動する
最後に buildServer を createMcpHandler に渡して、Node.js の HTTP サーバーで公開します。legacy: "reject" は、2025 年までの仕様に基づくリクエストを受け付けない設定です。
import { createServer } from "node:http";
import { toNodeHandler } from "@modelcontextprotocol/node";
import { createMcpHandler } from "@modelcontextprotocol/server";
const handler = toNodeHandler(
createMcpHandler(buildServer, { legacy: "reject" }),
);
createServer((req, res) => {
if (req.url !== "/mcp") {
res.writeHead(404).end();
return;
}
// 2026-07-28 の Streamable HTTP ではメソッド名がヘッダーにも載るので、本文を読まずにログを出せる
console.error(
new Date().toISOString(),
req.headers["mcp-method"],
req.headers["mcp-name"] ?? "",
);
void handler(req, res);
}).listen(PORT, "127.0.0.1", () => {
console.error(`listening on http://127.0.0.1:${PORT}/mcp`);
});2026-07-28 の Streamable HTTP では、リクエストの Mcp-Method ヘッダーにメソッド名が入ります。Mcp-Name ヘッダーには、tools/call ならツール名が、tasks/get などのタスクのメソッドならタスク ID が入ります。ロードバランサーがリクエストの本文を読まずにルーティングするための仕組みです。
以下のコマンドでサーバーを起動します。
node server.tsClaude Code から呼び出す
プロジェクトのルートに .mcp.json を作成して、MCP サーバーを登録します。
{
"mcpServers": {
"research": {
"type": "http",
"url": "http://127.0.0.1:3000/mcp"
}
}
}Claude Code の CLI を起動して、deep_research ツールを呼び出すように依頼します。--mcp-config で .mcp.json を読み込み、--strict-mcp-config でほかの設定にある MCP サーバーを読み込まないようにしています。
claude --strict-mcp-config --mcp-config .mcp.json以下のようなプロンプトを入力すると、サーバーがタスクを返して処理を始めます。
research の deep_research ツールで「MCP Tasks」について調べてくださいClaude はツールを呼び出すと、タスクの完了を待たずに「調査を始めました。」と返答してターンを終えました。入力欄の下には 1 MCP task と表示されます。

サーバーのログには、tools/call の直後から tasks/get が 2 秒ごとに記録されていました。Claude Code がタスクが完了したかどうかを確認するためにポーリングしていることがわかります。
2026-10-25T03:02:35.930Z tools/call deep_research
2026-10-25T03:02:35.974Z tasks/get 736bc765-bd68-4d43-bf8a-31accb8486e9
2026-10-25T03:02:37.998Z tasks/get 736bc765-bd68-4d43-bf8a-31accb8486e9
2026-10-25T03:02:40.016Z tasks/get 736bc765-bd68-4d43-bf8a-31accb8486e9/tasks コマンドを実行すると、サーバーが返した statusMessage とポーリング間隔を確認できます。

/tasks でタスクを選んで x キーを押すと、Claude Code はサーバーに tasks/cancel を送ります。Esc キーではタスクは止まりません。
タスクの途中で Elicitation のダイアログが表示される
タスクが input_required になると、Claude Code は inputRequests の elicitation/create をダイアログとして表示しました。oneOf の title として指定した「チーム内」と「社内全体」が選択肢の表示名になっています。

ダイアログが表示されている間、tasks/get のポーリングは止まっていました。「チーム内」を選んで Accept すると、サーバーに tasks/update が届き、ポーリングが再開しました。
2026-10-25T03:03:20.883Z tasks/update 736bc765-bd68-4d43-bf8a-31accb8486e9
2026-10-25T03:03:37.335Z tasks/get 736bc765-bd68-4d43-bf8a-31accb8486e9タスクが completed になると、MCP task 736bc765-bd68-4d43-bf8a-31accb8486e9 (research/deep_research) completed. と表示されました。Claude はレポートの内容を元にユーザーに返答しました。

MRTR の Elicitation
share_report ツールの呼び出しを依頼すると、ツール呼び出しの表示に Fulfilling input required by 'tools/call' (round 1) と表示され、共有の確認ダイアログが開きました。Accept すると、サーバーのログに 2 回目の tools/call が記録され、Claude は共有した結果を返答しました。

タスクの場合と異なり、Claude はダイアログに応答するまでツールの結果を待ち続けます。なお、Claude Code ではタスクを使わないツール呼び出しでも、2 分を超えて実行が続くとバックグラウンドに移ります。ただし、Elicitation のダイアログを表示している間はバックグラウンドに移りません。
まとめ
- MCP Tasks は、サーバーがツール呼び出しにタスクのハンドルを返し、クライアントが
tasks/getで状態をポーリングする拡張で、識別子はio.modelcontextprotocol/tasks - Elicitation は処理の途中でユーザーに入力を求める仕組みで、構造化データを集める form モードと、機密情報をクライアントに通さない URL モードがある
- 2026-07-28 仕様では、Elicitation の要求は MRTR の
InputRequiredResultか、タスクのinput_required状態のinputRequestsでクライアントに届く - Claude Code の CLI で検証した結果、タスクの状態は
tasks/getでポーリングされ、input_requiredになるとダイアログが表示され、ユーザーの応答はtasks/updateでサーバーに送られることが確認できた - MRTR の Elicitation は、タスクを使わずにツール呼び出しの結果として
inputRequired()を返すことで実現できる
参考
Connect Claude Code to tools via MCP - Claude Code Docs
Tasks - Model Context Protocol
modelcontextprotocol/ext-tasks
SEP-2663: Tasks Extension
Elicitation - Model Context Protocol (2026-07-28)
Multi Round-Trip Requests - Model Context Protocol (2026-07-28)
SEP-1036: URL Mode Elicitation for secure out-of-band interactions
Implement SEP-2663: Tasks Extension · modelcontextprotocol/typescript-sdk#2189




