技術の素振りのために記事を書く
技術の素振りを、ここではある特定の言語やフレームワークに対する理解を深めるために、その技術を使って何かしらの成果物を作成することと定義します。素振りの目的としては、ドキュメントからは読み取れない Pro/Con を得ること、その技術が実際のプロジェクトで使えるかどうか調査するといった事項があげられるでしょう。ただ素振りするだけではぼんやりと頭に知識が入っている状態になりがちですが、他者への説明というアウトプットを意識することで、コードを書くことによって得られた知見を整理できるようになります。
技術の素振りを、ここではある特定の言語やフレームワークに対する理解を深めるために、その技術を使って何かしらの成果物を作成することと定義します。素振りの目的としては、ドキュメントからは読み取れない Pro/Con を得ること、その技術が実際のプロジェクトで使えるかどうか調査するといった事項があげられるでしょう。
私は技術に対する素振りの一環として、記事を書くことを手段として取り入れています。記事を書くことの 1 番のメリットは、やはり自身の理解を深めることができるという点です。
「勉強したことを自分の言葉で説明する」という学習法は非常に効果的であることはよく知られています。初めにインプットされた状態では、ただ知識が頭の中にぼんやりと入った状態にすぎません。インプットした知識を他者に説明するとなると、知識が不十分な状態での説明は不可能ですから、知識を理解できるように自分の中で整理するという作業が自然と行われることになります。このアウトプットの作業こそが、自身の理解を深めることにつながるのです。
技術の素振りをする際にも、目的意識がなければただぼんやりとコードを書いている状態になりがちです。記事に書いて他者に説明するという目的を持つことで、コードを書くことによって得られた知見を整理できます。特に記事を書くという目的を持つことで良かったと思えた点は、間違えた理解をしていないか慎重に考えるようになるという点です。
記事を書いて公開する以上、間違えた知識を広めてしまうのは好ましくありません。そのため私が記事を書くために素振りをするときには、「より好ましいコードの書き方はないか」「このコードを書くことで何が起こるのか」といった点を意識しながらコードを書くことになります。この意識を持つと、自然とドキュメントの詳細な部分まで読みにいったり、OSS のソースコードを読むというムーブが生まれるようになります。
記事を書くことによる副産物として、以下のような点も得られるでしょう。
- 文章を書くことの練習
- 技術のコミュニティに対する貢献・自身のプレゼンスや評価の向上
- 実際に技術選定をする際に、すでに他者に説明する言葉が書かれている
なお、このような副産物を記事を書く際の主目的としてしまわないことが重要です。確かに記事を書くことによる自身のプレゼンスや評価の向上は確かに認められます。しかし人間は報酬や評価といった「外発的動機づけ」を目標としてしまうと、いざ報酬が得られなくなった時にモチベーションが著しく低下していまうことが知られてしまいます。そのため、記事を書くことの主目的は、外部の環境に操作されない「自身の理解を深めること」を目的にしていることを意識することが重要です。
具体的な流れ
私が技術の素振りをする際の具体的な流れについて紹介します。大体いつも以下の流れを習慣として行っています。
- X や会社の Slack で流れてくる情報で興味を持った技術についてブックマークしておく
- 週に 1 度、ブックマークした技術の中から 1 つを選び、その技術について素振りを行う
- 素振りと並行して、やっていることを記事に書く
技術情報を収集する手段として活用してるツールとして、X を主に活用しています。眺める機会が多くて、受動的に情報が集まってくるのがやはり便利だと感じます。使い方は大体おすすめタブを眺めている感じです。個人的には自分がフォローしていないユーザーのポストも TL に表示してくれるので、新しい情報を得るという観点では有効かと思います。
普段私は以下のような技術情報に興味を持つことが多いですね。
- JavaScript 関連の新しいライブラリやフレームワーク
- ライブラリのバージョンアップ情報
- HTML/CSS の新しい仕様
- アクセシビリティに関する情報
週に 1 度は何かしら記事を書くことを自分の中の習慣として持っているので、このタイミングでブックマークした情報について見直します。その中から特に興味を引いたものを選び、その技術について素振りを行います。(毎週興味がある技術が都合よく出てくることもないので、そのときは頑張ってネタを絞り出しています)。
技術の素振りと記事を書くことは平行して行っています。ライブラリのインストールができたらインストール手順を記事に書く、次に素振りに戻って実際にコードを書く、その内容を記事に書く... といった感じです。最後に全体的な記事の流れにおかしな点がないか確認して終了です。やっていることは作業メモに近い感じですね。コードを書いたらすぐにその箇所を記事とすることで、記事中の間違いを減らすことができるのでおすすめです。
記事を書く時のテクニックとして、「## 参考」という見出しをあらかじめ作っておき、記事を書く過程で参考にした情報のリンクどんどんを貼っていくようにしておくと、後から見直ししやすくておすすめです。
まとめ
- 技術の素振りは、ドキュメントからは読み取れない Pro/Con を得ること、その技術が実際のプロジェクトで使えるかどうか調査するといった事項があげられる
- 技術の素振りをする際には、記事を目的とすることで、自身の理解を深めることができる
- ただ技術のするだけではぼんやりと頭に知識が入っている状態になりがちだが、他者への説明を意識することで、コードを書くことによって得られた知見を整理できる